国民の知る権利に対する外務省の姿勢についてのお知らせ
平成19年8月21日

 本年1月18日と25日のムネオ日記に詳細を書いておりますが、昨年11月6日付で私が外務省に対して「平成18年9月10日午後10時23分外務本省おいて受信された、袴田茂樹青山学院大学教授からの自身が出席したヴァルダイ会議についての報告に関する公電の写し」の情報公開請求をしたところ、外務省が開示を拒否し、私が異議申し立てをしていた件につきまして、新たな進展がありましたので、これまでの経緯の説明を兼ねて、皆様にご報告致します。
 1月4日に私が異議申し立てをしたところ、2月14日付けで外務省より、次のような理由説明書が届きました。


理由説明書(2006−01119)
外務省

(経緯)

 当省は、異議申立人が平成18年11月6日付けで行った開示請求「平成18年11月2日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質165第114号)で触れられている、平成18年9月10日午後10時23分に外務本省において受信された、袴田茂樹青山学院大学教授からの報告に関する公電の写し。」に対し、「日露関係(プーチン大統領とヴァルダイ会議参加者との会談)」を対象文書として特定の上、その全部を不開示とする決定を行った(平成18年12月28日付け情報公開第03612号、以下「原決定」という。)。
 これに対し、異議申立人は、平成18年11月2日に閣議決定がなされた鈴木宗男君提出質問主意書に対する政府答弁書(内閣衆質165第114号)において「秘密指定はない」と明記されている文書を当省が不開示とした決定は納得できないとする異議申し立てを行った。

(理由)

1.本件対象文書について
 本件異議申し立ての対象となる文書は、「日露関係(プーチン大統領とヴァルダイ会議参加者との会談)」である。同文書は、平成18年9月9日にプーチン・ロシア大統領別邸において行われた、同大統領と「ヴァルダイ会議」出席者との会合(以下「会合」という。)に出席した情報提供者が、同年9月10日に在ロシア連邦日本大使館館員に対し、「会合」における北方領土問題等に関するプーチン大統領の発言等について口頭で行った説明の内容を外務本省に報告した公電である(以下「公電」という。)。
 公電には、秘密指定はなされておらず、取扱注意の指定がなされている。

2.不開示とした部分について
 不開示決定を行った本件文書には、「会合」における北方領土問題等に関するプーチン大統領の発言内容、情報提供者の所感等が記載されている。同情報提供者は、これらの情報と同様の内容を我が国報道関係者に対しても説明しており、右内容が報道機関によって報道されることを前提としているものと考えられるため、同公電には秘密指定がなされていない。ただし、不開示情報を含むこともあり、その取扱いを慎重にすべきであると判断されたため、取扱注意の指定がなされたものである。
 公電に記載されたこれらの情報については、情報提供者から当省が入手した情報であり、当省がこれらの発言自体を開示することまでは前提とされておらず、公電を開示することは、当省と同情報提供者との信頼関係に否定的な影響を及ぼし、今後の協力を得ることが困難になり、事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため、情報公開法(以下「法」という。)5条6号に基づき不開示とした。
 また、公電にある説明は、同情報提供者が作成した個人的なメモに基づくものであり、さらに同情報提供者の個人的な印象も記載されているため、これらを公にすることにより、同情報提供者の権利利益を侵害するおそれがあり、法5条1号に基づき不開示とした。

3.異議申立人の主張について
 異議申立人は、「平成18年11月2日に閣議決定がなされた政府答弁書(内閣衆質165第114号)において、秘密指定はないと明記されている文書を外務省が不開示とすることに納得できない。」として、原処分の取消しを求めている。
 しかしながら、当省としては、同文書の秘密指定の有無にかかわらず、その不開示該当事由の有無を十分精査し、開示請求に係る決定を行っており、異議申立人の主張には理由がない。

4.結論
 上記の論拠に基づき、当省としては、原決定を維持することが適当であると判断する。

以上


 この外務省からの理由説明書に対して、3月6日付で私は以下の意見書を提出致しました。


意見書
新党大地代表 衆議院議員
鈴木宗男

 外務省の理由説明書(2006-01119)に対しまして、下記の通り意見を述べさせて戴きます。

 私が開示請求した文書には取扱注意の指定がなされているが、秘密指定はなされていない。理由説明書には「公電を開示することは、当省と同情報提供者との信頼関係に否定的な影響を及ぼすおそれがある」とあるが、公開することで不利益が生じる文書であるならばあらかじめ秘密指定をかけるべきであり、かような文書に秘密指定をかけていない事自体、外務省の行政手続きに瑕疵があると考える。

 理由説明書には「公電を開示することは、当省と同情報提供者との信頼関係に否定的な影響を及ぼすおそれがある」とあるが、過去に外務省が秘密指定のかけられた文書を開示し、情報提供者に著しい被害を与え、情報提供者との信頼関係を損ねた事があると承知する。具体的には、平成7年6月13日の日付で、件名に「北方四島へのプレハブ診療所建設問題(鈴木宗男議員の主張)」と書かれ、無期限で秘密指定がなされていた文書が流出したことが過去にあった(別添資料参照)。しかし、その文書が流出したことに対して、当時外務省内で調査が行われ、処分が下されたということはない。秘密指定の文書が流出したことに対して何の調査も処分もせず、秘密指定のない文書の開示を頑なに拒む外務省の姿勢には論理的な整合性がない。

 2006年9月9日に行われたヴァルダイ会議に関する報告が袴田茂樹青山学院大学教授から外務省になされ、それを受けて坂場光男外務報道官は記者会見を行っている。その後北方領土問題に関しては、いわゆる「三島返還論」や「面積分割論」など種々の考えが国会の場などで提起され、国民の関心を惹いている。北方領土問題を解決する上で国内世論の喚起は必要不可欠であり、北方領土問題に対する国民の知る権利を確保する観点からも、ヴァルダイ会議関する袴田教授からの外務省への報告の内容を、国民に対して明らかにすべきであると考える。

 以上3点より、再度外務省に対して当該文書の開示を要求致します。


 次に、8月1日付けで、再度外務省より補充理由説明書が届きました。内容は以下の通りです。

補充理由説明書(2006−01119)
外務省

 既に提出している理由説明書2.に以下の内容を追加する。

1.(電信システム内部の処理・管理に係る部分)
 本件文書には、当省が使用している電信システムの内部の処理・管理に係る情報である電信の総番号、パターンコード、発・受時間が含まれるが、これらを公にした場合、現在当省が使用する暗号化方式が推測されるおそれがあり、ひいては、我が国の高度の政治的、政策的判断、対外関係上の専門的・技術的判断に関する内容等が明らかになるような事態が生じることになり、電信システムの暗号化方式の秘密保全に支障が生じるだけでなく、国の安全が害されるおそれ、他国との交渉上不利益を被るおそれ及び外交事務全般の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため、情報公開法(以下「法」という。)5条3号及び6号に基づき、不開示とすることが相当である。

2.(特定法人に係る部分)
 本件文書には特定法人に係る掲載が含まれているが、本件は当該情報提供者が当該特定法人に対し、個人的な関係においてブリーフを行ったものであるため、これを公にすることにより、当該情報提供者の権利利益を害するおそれがあり、また、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため、法5条1号及び2号に基づき、不開示とすることが相当である。

3.(公電に記載された転電先)
 本件文書には公電の転電先が記載されており、公開することを前提とせずに情報提供者から入手した情報の配布先を個別具体的に公表することは、本件対象文書が我が国の領土問題に係る情報を含むものであるため、今後の外交交渉上不利益を被るおそれがあることもあり、法5条3号に基づき、不開示とすることが相当である。

以上


 これに対し、本日21日こちらから、以下のような2通目の意見書を提出致しました。

意見書
新党大地代表 衆議院議員
鈴木宗男

 外務省の補充理由説明書(2006-01119)に対しまして、下記の通り意見を述べさせて戴きます。

 私が開示請求している文書(以下、「文書」とい。)は、秘密指定がかけられておられず、取扱注意になっている。取扱注意の文書に、暗号化方式が推測されうる電信の総番号、パターンコード、発・受時間が含まれていることは通常考えられず、外務省による補充理由説明書(以下、「理由説明書」という。)にある主張は、「文書」の開示を拒否する理由になっていない。

 外務本省への公電の発・受時間が記載されている文書は他にあると思料する。例えば、平成18年11月2日に閣議決定された政府答弁書(内閣衆質165第114号)では、外務本省で公電を受信した日にち、時間、分が明記されている。この事実は外務省が「文書」の開示を拒否する理由と矛盾するものである。

 「理由説明書」には、「公電の転電先が記載されており、公開する事を前提とせずに情報提供者から入手した情報の配布先を個別具体的に公表することは、本件対象文書が我が国の領土問題に係る情報を含むものであるため、今後の外交交渉上不利益を被るおそれがある」とあるが、公電の転電先を公開することで、具体的にどのような不利益が生じるおそれがあるのかが明確ではない。

 外務省が@電信の総番号、パターンコード、発・受時間等、外務省が使用している電信システムの内部の処理・管理に係る情報を公にすることで、現在外務省が使用している暗号化方式が推測されるA当該情報提供者が当該特定法人に対し、個人的な関係においてブリーフを行ったものであるため、これを公にすることにより、当該情報提供者の権利利益を害するB公電の転電先が記載されており、公開する事を前提とせずに情報提供者から入手した情報の配布先を個別具体的に公表することは、本件対象文書が我が国の領土問題に係る情報を含むものであるため、今後の外交交渉上不利益を被るおそれがあると主張するのならば、それぞれ当該部分を黒塗りにする等の方法により秘匿した上で「文書」を部分開示する事は可能であると思料する。よって、外務省がこれらの秘匿すべき情報が「文書」に含まれている事を理由に「文書」の開示を拒むのは、理由になっていない。

 以上4点より、再度外務省に対して「文書」の開示を要求致します。


 上の外務省の理由説明書に書かれている内容は、全く理由にならないものばかりです。開示できない文書であるならば、はじめから秘密指定をかけておくのが本来あるべき行政手続きであります。私が開示請求している文書に、我が国の暗号化方式が推測されるおそれがある情報が含まれているというのならなおさらです。それを怠っていた外務省に不手際、怠慢があったと言わざるを得ません。
 また、特定法人、公電の転電先の情報が含まれていると言うのなら、その部分を黒塗りにして、部分開示をする事も可能なはずです。また、公電の転電先が公になる事で具体的にどのような不利益があるというのかも明確になっておりません。
 上記の外務省の理由説明、私の意見書のやりとりを受け、内閣府情報公開・個人情報保護審査会事務局で審査が行われ、外務省に対して答申がなされます。その答申を受けて、外務省で私が開示請求している文書を開示すべきか否か再度検討され、最終的な決定が下されます。
 ※異議申し立ての詳しい流れは外務省HPを御参照下さい。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/public/johokokai/shoshiki/igi.html
 私は訴訟も辞さない覚悟で、今後とも外務省に対して情報開示を請求して参ります。国民の知る権利に外務省がどう応えてくるか、皆様と共に注目して参りたいと存じます。



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